過去の展覧会

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■智恵子抄  高村光太郎と智恵子 その愛

2010 年4月29日(木・祝)~7月11日(日)

智恵子抄 高村光太郎と智恵子 その愛

 高村光太郎と智恵子―明治から昭和にかけて、彫刻や詩作、文筆活動へと幅広く活躍した夫と、光太郎への愛に生き、自らの創作を試みながらも、精神を病み、道半ばで没したその妻、智恵子。純粋な愛を貫いた二人の記憶は、詩集『智恵子抄』によって、今なお鮮烈な印象を残しています。
 著名な木彫家、高村光雲を父にもち、日本の伝統と西洋からの近代思潮の中で自身の芸術を模索した光太郎にとって、智恵子との出会いと生活は、その創造を支える基といえるものでした。けれども、智恵子は宿命的な精神上の素質と、芸術的苦悩、実家の没落などから次第に精神を病み、光太郎を残して昭和十三年に亡くなります。
 智恵子は最晩年、光太郎が病床に持参した千代紙を日々丹念に切り抜いて、千枚を超える「紙絵」を遺しました。それらは全て光太郎に見せるためだけに制作された極めて私的なものでしたが、その繊細な表現と独自の色彩感覚は、没後公開されると、多くの人に深い共感をあたえ、今日に至っています。現在、紙絵のオリジナルは材質の脆弱さのため、長く展示することは困難となっていますが、光太郎の甥で写真家の高村規氏により複製され、鮮やかな色彩で細部まで鑑賞することが出来るようになりました。本展は、光太郎の諸作品と、現存する中から選ばれ再現された智恵子の紙絵により、二人の純度の高い芸術を回顧するものです。

 

■藤本能道展  命の残照のなかで

2009 年10 月31日(土)~2010年4月18日(日)

藤本能道命の残照のなかで

本展は、藤本能道が色絵磁器を大成した70年代半ばから最晩年に焦点をあて、54件(156点)の作品で構成されています。とくに展示の中心となるのは1992年3月より開催された藤本の生前最後の個展、「陶火窯焔(とうかようえん)」展に出品された一群です。

 陶火窯焔展では、燃えるような辰砂の赤が印象的な、一連の作品が発表されました。赤い花に群がる虫や、炎のなかに飛び込む蛾などをモチーフとしたそれらの陶筥や扁壷は、従来藤本がこだわり続けた、写生に基づく緻密な表現から離れ、作家の内なる思いがあらわれた、藤本の新境地と言うべきものでした。しかし、新たな飛躍への道が示されたときには、作家の余命は幾許も残されてはいませんでした。藤本は、展覧会から2ヵ月後の1992年5月、73歳でその生涯を終えます。

作家の生命を凝縮したかのような最後の作品群は、当時個展を任された、当館創立者でもある菊池の手元に残されました。以来、いつか最良の形でこれらを再び公開したいとの思いは、当館をオープンさせた当初から、菊池が抱いていた願いでありました。そしてこの度、本展覧会にてこれらの作品が一堂に公開されるのは、92年以来、17年振りのこととなります。

■赤 黒 金 銀 緑 青  前田正博の色絵

2009年6月27日(土)~2009年9月23日(水・祝)

赤黒金銀緑青 前田正博の色絵

前田正博(1948~)は東京藝術大学にて藤本能道、田村耕一、浅野陽各氏に師事した後、1970年代より現在まで一貫して、磁器に色彩豊かな絵付けをした器を制作し、独自の世界を広げてきました。
  作家は、江戸末期に西洋から伝わった、洋絵具を用いることで、伝統的な上絵付けにはない、色絵表現を貫いてきました。様々な色が重なり合った複雑な色層は、素地が白い磁器であることを忘れさせますが、こうした作品の特色は、多くの色を一色ずつ丹念に重ね、焼成を繰り返すことにより生み出されます。
  全面を覆うグラフィカルな文様は、鳥、サボテン、月など自然をモチーフとしながらも、写実的描写から離れ、器に奔放で楽しげなリズムをもたらします。この、遊び心を感じさせる、色と文様の自由な語らいが、作者独特の色絵スタイルだといえましょう。
  本展では、新旧作を合わせたおよそ100点余の作品により、作者が歩んできた、色絵の変遷をご覧いただきます。

■第3回菊池ビエンナーレ展

2009年3月28日(土)~2009年6月14日(日)

第3回菊池ビエンナーレ展

菊池ビエンナーレは、平成16(2004)年度の第1回より、隔年で開催する現代陶芸の公募展です。3回目となる今回は、昨年度の秋に作品を募り、審査を行いました。ご応募は、20歳代から70歳代までと年代の幅が広く、また、北海道から九州までと全国にわたりました。

 展覧会では、応募総数318点のなかから入選した53点をご紹介させていただきます。入選作のうち入賞したのは7点です。大賞には長崎県の山口淀氏が、優秀賞には高知県の西田宣生氏が、そして、奨励賞には鈴木徹氏(岐阜県)、新里明士氏(岐阜県)、間野舜園氏(愛知県)、南公二氏(大阪府)、和田的氏(千葉県)がそれぞれ選出されました。
  菊池ビエンナーレは、方向性を限定することなく、現代陶芸の〈今〉を見つめようとする試みです。一人一点、未発表の作品で、陶芸に取り組む方であればご応募いただけます。当館の展示室の都合で、入選作の目安をおよそ60点としています。入選の倍率が高くなる年もあるかと思いますが、皆様の、やきものにする想いが表れた、魅力のある作品をご応募いただければ有り難く存じます。
  陶芸を愛する方々にご注目いただけるビエンナーレに育つよう、今後も関係者一同、いっそうの努力をいたします。

■ 窯ぐれ三代 加藤唐九郎・重高・高宏

2008年12月6日(土)~2009年3月8日(日)

窯ぐれ三代 加藤唐九郎・重高・高宏

加藤唐九郎(1898~1985)は、近・現代陶芸界の鬼才であり、ひたすらに桃山陶に挑戦を続けました。その波乱に満ちた「窯ぐれ」人生から生み出された作品群は、黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部・唐津・信楽・伊賀・高麗など実に多彩で、茶陶においては他の追随を許さない独自の作風を確立しました。その三男・加藤重髙(1927~)は、唐九郎の側にあって唐九郎を支え続けるとともに、自身も作陶に打ち込み、叩きの技法を用いた迫力ある量感の花器や水指などを生み出し高い評価を受けてきました。加藤高宏は、祖父の作風をも見据えながら自らの世界を確立しつつあります。志野・瀬戸黒などには、独自の創意を加え、造形・釉調ともに強い息吹が感じられます。

  本展では加藤唐九郎の生誕110年を記念して、初期から絶作にいたるまでの多彩な作品群から厳選された代表作により陶芸界に残した大きな足跡を見つめると同時に、その血を受け継ぐ重髙、高宏の代表作をあわせた約110点を一堂に会し、三人の共通性、独自性を展観しようとするものです。

■ 漆、新しき経験 ― 池田巖 1960-2008

2008年10月4日(土)~11月24日(月・祝)

漆、新しき経験 ― 池田巖 1960-2008

池田巖(1940~)は二代池田瓢阿の長男として生まれ、幼い頃から父のもとで竹芸を学び、茶の湯の世界に触れ、優れた古典に親しみました。目や手を通じて記憶した技術や古典的な意匠が、池田の造形感覚の素地をはぐくみました。東京藝術大学に進学してからは漆芸家の松田権六に師事し、きゅう漆(きゅうしつ)を赤地友哉に学ぶなど、彼の20代は伝統の徹底した習得に費やされました。
 創作上の転機が訪れたのは1987年、47歳のときのことです。茶の伝統から解き放たれ、竹や漆という素材の魅力をひきだした、シンプルながら緊張感を強調した茶器や花入がつくりだされました。
 そして2005年、池田は再び新しい創作を始めます。漆を塗った竹をたたき割り、引き裂き、「用」をもたない作品が生まれました。それらは竹の強い生命力と漆から発せられる気を放っています。

池田は古典作品や現代の作品、人との出会いなどから積み重ねた経験をつねに新しい創作に反映させてきました。本展覧会は、3メートル近い大きさの最新作から古典的な茶器まで、作家自選の60点余により構成いたします。

■ 朴英淑の白磁 ― 月壺と李禹煥の絵皿

2008年7月12日(土)~9月15日(月・祝)

朴英淑の白磁 ― 月壺と李禹煥の絵皿

今回は「朴英淑の白磁―月壺と李禹煥の絵皿」と題し韓国の現代陶芸を代表する白磁の女性作家、朴英淑(パク・ヨン スク/1947~)の造形世界をご紹介いたします。

朴英淑は、32歳で朴英淑セラミック・スタジオを設立し、はじめは粉青沙器、やがて白磁大壺へと、朝鮮王朝時代の陶磁への思いを現代に生きる作家として 追求してきました。理想の白磁を実現させるために10年余をかけ、土を探し、配合を研究し、試行錯誤をかさねた情熱は並大抵ではありません。近年では、韓 国で月壺(ゲッコ)と称されている大壺を完成させ、その世界観を深めつつあります。

日本の美術館での個展は、本展が最初となります。出品予定の作品は、白磁大壺7点、白磁壺10点、食器70点で、食器のうち10点を数える大皿、陶板は、世界的に著名な美術家、李禹煥(リー・ウーファン/1936~)が絵付けをした作品です。

■ 第2回智美術館大賞 現代の茶陶 ― 造形の自由・見立ての美

2008年4月5日(土)~6月22日(日)

第2回智美術館大賞 現代の茶陶 ― 造形の自由・見立ての美

菊池寛実記念 智美術館では、展覧会事業の二本柱として一般公募の菊池ビエンナーレ展と現代の茶陶展をそれぞれ隔年に開催し、我国の現代陶芸の育成と向上に寄与したいと願っています。

「智美術館大賞 現代の茶陶展」と題する展覧会は、現代日本の陶芸界を代表する陶芸家の方々に、作陶家御自身の自由な精神の所産としての茶陶を制作していただき、21世紀初頭の茶陶のあり方を展望するというものです。2006(平成18)年の第一回展では、13名の作陶家の方々にご出品いただき、鈴木藏氏が大賞を、秋山陽氏、小池頌子氏が優秀賞を受賞されました。このたびの第二回展は合計13名の作家の方々にご出品を賜り、開催を予定しております。本展の趣旨をお汲みとりいただき、現代における茶陶の新たな可能性をご高覧いただければ幸甚に存じます。

■ 十四代柿右衛門展

2008年1月2日(水)~3月23日(日)

十四代柿右衛門展

当館は、開館以来、現代陶芸作家の紹介につとめて参りましたが、このたび、2008年1月2日(水)より、日本の色絵磁器を代表する十四代酒井田柿右衛門氏による「十四代柿右衛門展」を開催する運びとなりました。展覧会では、伝統工芸展出品作を中心に、襲名以前の作品を含むおよそ50点による展観を予定しております。

有田の酒井田柿右衛門家で濁手(にごしで)と呼ばれてきた白磁の素地は、十七世紀末に最高潮に達し、純白の余白を十分に生かして上絵付された赤絵は、明末清初の中国五彩にはない優雅さによって、ヨーロッパの王侯貴族達の目を奪い、大きな声価を得るとともに十八世紀にマイセンなど各地の窯に影響を与えました。しかしながら世界一といっても過言ではない美しい白磁の赤絵は、十八世紀末頃から衰微し、いつしか途絶えます。

十二代と十三代柿右衛門は、かつての濁手を復興させることこそ酒井田家の使命と認識し、苦心惨憺の上、遂に濁手の焼成に成功しました。そして十三代の晩年、濁手赤絵の技術は国から重要無形文化財総合指定の認定をうけ、さらに、十四代はその業を継承して工房を整備、日本一の色絵磁器の生産と技術の向上に全力を注ぎました。2001(平成十三)年には、重要無形文化財の個人指定の認定を受けています。展覧会では、歴史と現代が融合する色絵磁器の極みをご高覧いただきたく存じます。

■ 芹沢銈介の造形 ― 色と模様

2007年9月29日(土)~12月16日(日)

芹沢銈介の造形 ― 色と模様

芹沢銈介は、沖縄の伝統的な染色技法である紅型(びんがた)に触発され、それを深めて独創的な色と模様の世界を造りだしました。その領域は、着物や屏風をはじめ、物語絵、装幀、図案、字模様、インテリア・デザイン、建築など多岐にわたっています。

着物や屏風を芹沢造形の到達点とするならば、型染の図案や肉筆のスケッチ、板絵、ガラス絵などの小品は、創造の初動を感じさせる珠玉の作品群と言えるのではないでしょうか。そこではモチーフを見いだしたときの芹沢の喜びが鮮度を保ったまま鮮やかな色彩と躍動する曲線に活かされ、その天性の豊かさと明るさは、観る者の心を瞬時に掬います。

本展は、およそ100点の作品により芹沢銈介の造形をご紹介いたします。芹沢の仕事を半世紀にわたって見つめ続けた金子量重氏にご監修いただきました。この展覧会が皆様にとって芹沢造形の真髄に触れていただく機会となれば幸いです。

■ 群青の彼方から ― 小池頌子展

2007年5月26日(土)~9月2日(日)

群青の彼方から ― 小池頌子展

日本陶芸界を代表する作家の一人である小池頌子さん(1943~)は、東京芸術大学で陶芸を学び、同大学院を修了した後、ギャラリーでの個展を中心に活動してこられました。造形性に富むユニークな「器」は、国内は言うまでもなく、海外においても高い評価を受け、英国のヴィクトリア・アンド・アルバート美術館、米国のクリーブランド美術館など多くの美術館に収蔵されています。

轆轤で成形した原形をフリルや突起状の装飾で変容させていく小池さんの「器」は、白や銀で色づけされ、ときには内側からの虹彩も加わり、貝殻を連想させ、海や空をイメージさせます。彼女の創作の原点には、水や光などの自然への賛嘆と共感の思いがあり、作品にはそれを形にするという喜びが溢れています。近年、さらなる円熟をみせる小池さんの造形世界を、新作を含めた代表作およそ60点により、ご覧いただきます。

■ 第2回菊池ビエンナーレ展

2007年3月10日(土)~5月13日(日)

第2回菊池ビエンナーレ展

このたび菊池寛実記念 智美術館では、第2回菊池ビエンナーレ展を開催いたします。本展は、現代日本陶芸界のさらなる発展に助力いたすべく、財団事業の一環として2005年に始まりました。2回目の開催となります本年は、全国各地からのご出品を頂き、応募総数は第1回を上回る267点にのぼりました。第一次、第二次と厳正なる審査を行いました結果、大賞に山本出氏、優秀賞に高垣篤氏をはじめとする、44名の方が入選となりましたのでここに展観いたします。

なお、今後も隔年での開催を予定しておりますが、公募の趣旨をさらに多くの方々にご理解いただけるよう尽力し、現代日本陶芸の優れた作品を広くご紹介させていただく所存でございます。大いにご期待いただくとともにご協力くださいますようお願い申し上げます。

■ Tomo Collection ― 我が心の陶芸

2006年11月2日(木)~2007年2月25日(日)

Tomo Collection ― 我が心の陶芸

本展は、美術館の設立者であり、当財団の理事長である菊池智のコレクションで構成され、板谷波山、富本憲吉をはじめ、19作家の作品を紹介いたします。

菊池智は、戦時下に多感な青春時代を過ごしました。連日の空爆に疲れ、多くの友人たちが死を覚悟して戦地に赴き、ある者は特攻隊員として空の果てに消えて行きました。死と対峙する毎日の中で、ある日、土の塊が火の洗礼を受けて美しい陶器に生まれ変わるところを偶然目にした智は、そこに思いがけない「生」を見いだしました。そして、「全てのものは土から生まれ、いつかは土にかえっていく」という鮮烈な想いから、陶芸は智の人生にとって避けて通れないものとなったのでした。

菊池コレクションは、1983年に、アメリカ、ワシントンにあるスミソニアン博物館で「ジャパニーズ・セラミックス・トゥデイ」と題した展覧会によって紹介され、その後、同展はロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート美術館に巡回いたしました。展覧会は大成功をおさめ、この展覧会を期に諸外国でも日本の現代陶芸への関心が急速に高まりました。センセーショナルな紹介から20余年、当コレクションも内容を充実させてまいりました。一私人が日本文化発展のために情熱を傾けて収集した作品を、どうぞご高覧いただきますようお願い申し上げます。

■ 智美術館大賞 現代の茶陶 ― 造形の自由と用の見立て

2006年8月5日(土)~10月15日(日)

智美術館大賞 現代の茶陶 ― 造形の自由と用の見立て

かつて桃山から江戸時代前期にかけて、千利休や古田織部など、まさに桃山の今に生きた茶の湯者の需要に応えて、茶陶が数々生産され、かつて見ない自由で造形力の豊かな作品が今に伝えられてきました。ところが四百年後の今、桃山におけるような自由闊達な造形性をもつ茶陶は極めて少なく、伝統文化といいながら、いささか閉塞的な状況になっております。

そこでこのたび、当美術館において、現代日本の陶芸を担っておられる陶芸家の方々に、茶の湯の伝統を見据え、現代に生きる作陶家自身の自由な精神の所産としての茶陶を制作していただき、二十一世紀初頭を象徴する「現代の茶陶展」の開催を企画いたしました。

何卒、私達の趣旨をお汲みとりいただき、ご高覧いただければ幸甚に存じます。

■ 杉浦康益 陶の植物園

2006年4月15日(土)~7月23日(日)

杉浦康益 陶の植物園

杉浦康益(1949年~)は、東京芸術大学在学中に「やきものは石である」という教授の言葉に触発され、陶で石を作り始めたというユニークな出発点を持つ作家です。その後モチーフは「石」から「岩」となり、スケールの大きな作品によるインスタレーションを自然の中や屋内空間で発表しています。

またもう一つの代表作として2000年から発表している「陶の博物誌」シリーズがあります。ルーペで観察しながら実物の数倍の大きさに作った牡丹やヒマワリの花、毬栗(いがぐり)などの木の実は植物の精密な構造をそのままに再現しており、作家自身が自然の造形美に抱く感嘆や畏敬の念を感じさせます。繊細でありながら力強い印象は、風雨に打たれながら大地に根付く植物を日々見つめている作家の心象の所産といえましょう。

会場内には存在感のある陶の岩と、花や木の実などによる杉浦康益の植物園が展開されます。炎の洗礼を受けて誕生した植物たちをどうぞ楽しくご覧下さい。

■ 樂吉左衛門 1999年秋-2005年春 創作

2005年9月17日(土)~2006年2月26日(日)

樂吉左衛門 1999年秋-2005年春 創作

樂茶碗は、桃山時代に、初代長次郎が茶の湯の大成者である千利休の創意を受けてつくり出した茶碗です。以来400余年にわたり、樂家は千家とともに「樂焼 御ちゃわん屋」の暖簾をかかげ、樂茶碗を現代に継承させてきました。手捏ねによる成形方法や内窯を用いた独特の焼成技術など、一碗ずつ丹念に制作する技法は江戸時代の初期から一子相伝で伝えられています。

当代吉左衛門は、1949年に生まれ32歳で十五代を襲名しました。彫刻的な造形と抽象絵画を思わせる釉薬の妙なる表現を特徴とする当代の作品は、樂茶碗の新たな創造として高く評価されており、日本の伝統文化である茶の湯のあり方を現代に問いかけています。

本展は、1990年の個展「天問」(菊池ゲストハウス)以来15年ぶりとなります。1999年秋から2005年の春にかけて制作された焼貫黒樂茶碗36点を展観いたします。

■ 現代ガラスの挑戦 ― 光の彫刻展

2005年6月4日(土)~8月21日(日)

現代ガラスの挑戦 ― 光の彫刻展

現代ガラスは、1960年代のはじめにアメリカで起こったスタジオ・グラス運動がきっかけとなって世界に広まった新工芸の分野です。以来、各国に画家や彫刻家と同じようなグラス・アーティストの世界が形成され、ほぼ半世紀を迎えるこの分野の造形上の展開には目を見張るものがあります。21世紀芸術の新展開にも期待される魅力的な素材として評価されています。

本展では、600年のガラスの歴史を有しつつ今日世界をリードするチェコの作家と、近年世界的にも注目を集める日本の作家の作品を中心に構成し、多彩で多様な現代ガラスの造形の魅力を紹介いたします。

出品:チェコ、日本、オーストラリア、ドイツ、韓国、アメリカ、スウェーデンの42名の作家による

■ 第1回菊池ビエンナーレ展

2005年4月9日(土)~5月15日(日)

第1回菊池ビエンナーレ展

当館では、現代陶芸界の一助となるべく平成16年度より隔年で菊池ビエンナーレを実施することといたしました。このたびの第一回ビエンナーレ展では、特別大賞を含む37点の入選作品を展示いたします。

出品作家:國定克彦、鈴木徹、佐藤雅之、神農巌、鈴木卓、平岡朋美、前田正博、板井玲子、太田公典、大谷昌拡、菊地勝、杉浦裕子、森田文雄、李コッタンほか23名

 

 

 

 

■ 藤平 伸の芸術 ― 追憶の詩

2004年11月2日(火)~2005年2月27日(日)

藤平 伸の芸術 ― 追憶の詩

藤平伸氏は、1922(大正11)年、京都五条で製陶業を営む家に生まれました。本格的に作陶の道を歩み始めたのは三十歳を過ぎてからでしたが、1953(昭和28)年、初出品の第9回日展で入選、第13回日展では、特選・北斗賞を受賞されています。

また京都市立芸術大学では、長年にわたり後進の指導、育成にあたられ、京都府より文化賞特別功労賞を授与されるなど、氏の功績は高く評価されています。主として手びねりによって作り出される作品は、どれも軽やかさと詩情にあふれ、作者の幼い頃の記憶や夢の断片をかいま見るようであります。伝統的な京都のやきものという概念からは想像もつかない、型にはまらない伸び伸びとした作風には、氏のおおらかで温かな人柄がうかがえます。

展覧会では、作家所蔵の作品に、菊池コレクションを加え、1970年代から近年までの、およそ80余点の作品をご紹介いたします。今回は、氏の五十余年にわたる作陶活動の全貌をご覧いただける貴重な機会でもあります。

■ 藤本能道の色絵

2004年4月17日(土)~9月30日(木)

藤本能道の色絵

藤本能道(1919~1992)は、富本憲吉、加藤土師萌に薫陶を受けた、戦後の色絵磁器を代表する作家の一人です。ことに1970年頃から晩年にかけての20余年間には、色絵磁器の可能性を追求し、独自の世界を切り開きました。

本展では、「幻の食器」と名づけられた昭和天皇皇后両陛下御使用のディナーセットを中心に、80点余の作品をご紹介いたします。

ディナーセットは、1976年、茨城県下を植樹祭で回られ、菊池家の経営するホテル(茨城県高萩市)に宿泊された両陛下の晩餐用に、菊池智が制作を依頼したものです。総数230ピースの大作で、一般に公開するのは本展がほぼ初めてとなります。

■ Japanese Ceramics Today, Part 2

2003年9月30日(土)~2004年3月7日(日)

Japanese Ceramics Today, Part 2

菊池寛実記念智美術館では、開館を記念して開催いたしましたJapanese Ceramics Today, Part 1にひき続き、Part 2として菊池コレクションをご紹介いたします。

本展は、Part 1の陳列の一部を展示替えし、総作品数91点のうち半数以上がスミソニアン展以降20年の間に新たにコレクションに加えられた作品となっています。

出品作家: 岡部嶺男、加守田章二、栗木達介、藤平伸、藤本能道、三浦小平二、八木一夫ほか49名

 

 

 

■ Japanese Ceramics Today, Part 1

2003年4月19日(土)~9月23日(火)

Japanese Ceramics Today, Part 1

菊池コレクションのなかから選出いたしました100点、69名の作家による作品を展示し、現代陶芸のあり方を展観するものです。

出品作家:岡部嶺男、隠崎隆一、加藤唐九郎、加守田章二、鈴木藏、栗木達介、深見陶治、藤平 伸、三浦小平二、八木一夫ほか59名

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