河本五郎 - 反骨の陶芸
2023年4月22日(土)~
8月20日(日)
Kawamoto Goro
April22-August20,2023
河本五郎(かわもと・ごろう/1919~1986)は日本社会が新たな価値観を模索する戦後から高度経済成長期を背景に、既成の技術や概念を客観的に捉える論理的な思考で、現代における陶芸を追求しました。1000年以上の歴史を持つ陶磁器の生産地、愛知県瀬戸市に生まれ、幼少より瀬戸の窯業に身を置きますが、個人の創意で陶磁器の伝統や歴史に対峙します。
河本の制作は、初期において家業の染付磁器に個性を発揮した作品があるものの、大きくは前半の陶器と後半の磁器に分かれます。陶器では、土の粗い表情や裂け目、歪み、ひずみを生かし計算し、様々な方法で素材感や物質感をダイレクトに造形化する作風を確立しました。成形技法としてロクロに重きを置いた当時の瀬戸において、作りたいものに合わせて土や技法を選択、または開発する河本の姿勢は異質なものでした。
家業とは異なる制作で作家として自立した河本ですが、意志ある姿勢はそのままに、しかし陶器から磁器へと制作を移行させます。そして、瀬戸の染付磁器と更にそのルーツとなる中国陶磁への考察をもとにしながら、現代の陶磁器として独自の染付と色絵に取り組んだのです。それは自らの制作で陶磁の伝統や歴史に迫り、乗り越え、進展させようとする行為であったといえます。
本展は、東京で開催する没後初めての回顧展となります。陶磁器を表現素材と捉え、その創作に真摯に向き合った初期から晩年までの70余点で河本五郎の陶芸をご覧ください。
「色絵撩乱の箱」1974年
「色絵史神文四方器」1974年
「長壺」1964年
展覧会概要
- 会期
- 2023年4月22日(土)~ 8月20日(日)
- 休館日
- 毎週月曜日(ただし7月17日は開館)7月18日(火)
- 開館時間
- 11:00~18:00(最終入館17:30)
- 観覧料
- 一般1,100円/大学生800円/小中高生500円
※未就学児は無料
※障害者手帳ご提示の方(介護者の必要な方は1名迄)は通常観覧料の半額となります。
※リピート割引:会期中2回目以降ご鑑賞の方は半券のご提示で300円割引いたします。
(他の割引と併用はできません。) - 主催
- 公益財団法人菊池美術財団、日本経済新聞社